インターンで学んだ土のチカラ「溶かして変える」こと。
2022/01/12
「土」体験キット十万億土

インターンで学んだ土のチカラ「溶かして変える」こと。

「水に溶けている土」のチカラって?

「プラスアルファの強度」と「立体感」をもたらすポテンシャル!

一言に土といっても、水が氷や水蒸気といった形態があるように様々な姿かたちがあります。一般的には別の呼称がありますが、多量の水分を含みそのまま手で持つことは不可能な状態、またはパン生地のように適度な弾力と柔らかさを持った状態、或いは板チョコのように割れるガッチリと固めた状態・・・

その状態や実際に触ったときの感触は知っていても、それがどんな力を持つのかということはインターンが始まるまでは知りませんでした。今回は一つ目の「多量の水を含んだ状態」の話です。

この記事を書いているインターン生は中学を卒業するまで野球をしていたのですが、野球部の大敵といえば雨です。雨が降るとボールは使えないし練習はしんどくなるし、そして何より嫌だったのが次の日のグラウンド整備です。土が水を含むと、大抵平面ではなくなってしまいデコボコになります。そしてそのまま乾燥すると・・・平面にするための道具が固いデコボコに引っかかってしまい、巨人の星のような厳しいトレーニングがごとく重労働になってしまうのです。

当時はこの状態を忌み嫌っていましたが、このインターンが始まってからはそんな姿の持つ能力に一目置くようになりました。
その能力を発揮するためには様々な補強は必要ですが、その固まる力を駆使してちょっとおしゃれな食べ物屋さんや昔の建築物に多く使われていて、長期間長持ちする「土壁」となること自体は知っていても、実際に利用された現場や作業を経験すると、先人の知恵やそこから洗練された技術、そして何より忌み嫌っていたようなものの持つ真のチカラというのを目の当たりにすると、敬意や驚嘆はもちろん、一種の畏怖さえも覚えてしまいます。

また、固まって強度が高まる面だけでなく、「立体的に固まる」という点も特筆すべき能力です。特にこのプロジェクトで制作した「土絵具」で絵を描いていただいたときに、油絵具とはまた違った「手に届きそうな感覚」があります。絵具のように平面の上で輝く素材でも、立体というアクセントを加えられる水に溶けた土のポテンシャルには、建築やモノづくりにとどめるのがもったいなく思えるような威圧感を覚えました。

約一か月の住み込み期間だけでも凄まじいポテンシャルの存在を感じた「水に溶けた土」の能力を完全に理解できているとは絶対に言えませんが、この知識は将来に生かすことができれば有利だと思うと同時に、この知識を生かせるような仕事探しや活かす能力をつけられたら良いな、という動機づけになったということは胸を張って言えると感じています。

次回は「パン生地のような状態」の土の話です。

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